ナンヨウハギの飼育、飼い方、育て方「餌、混泳、病気について」

海水魚
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ナンヨウハギは、映画「ファインディング・ニモ」に登場する「ドリー」として有名になり、海水魚らしい鮮やかな青と黄色の色彩が非常にキレイで、とても人気のある魚です。

小さい頃の愛らしさと、よく泳ぎ回る活発さ、他の海水魚に比べて手に入りやすい手頃な価格から海水魚初心者の方でもクマノミの混泳相手として購入する方が多くいますが、実はナンヨウハギは成長速度が早く、神経質な魚で、購入してすぐ病気になったり、幼魚のうちに☆にしてしまったりする方が後を絶ちません。

また背ビレや尾ビレのトゲの部分に強力な毒があり、人が触ると激しい痛みや痺れ、吐き気などが起こることもあります。

そこで、初心者の方でも飼育できるようにナンヨウハギの飼育方法を餌、水質、病気対策など飼育する上での注意点を細かくまとめて記事にしました。

この記事を読めば、ナンヨウハギを初めての飼育魚に選んだ人でも、うまく飼育できるようになると思いますので、「難しいと言われているけど飼育してみたいな」という方は、ぜひご覧ください。

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ナンヨウハギの購入時のサイズについて

一般的には店舗、通販とも共通してS、M、Lサイズの3種類で販売していることが多いです。

Sサイズ:3~4cm

Mサイズ:5~7cm

Lサイズ:8cm~10cm以上

ナンヨウハギの値段の相場としてSサイズで3000円~4000円、Mサイズで5000円前後、Lサイズで7000~8000円ほどで販売しているところが多いです。

愛らしく小さな水槽で飼育しやすいSサイズが売れ筋ですが、通販などで購入すると自宅に届いた時には白点病にかかっていたり、輸送の体力低下から☆になりやすかったりするので、Mサイズで購入するのがオススメです。

どうしてもSサイズで購入したい場合は、混泳相手のいない水槽でしばらく単独飼育できる環境を作ったり、トリートメント水槽を用意しておき、そこで1か月ほど飼育するのがオススメです。

購入後のワンポイントアドバイス!

ナンヨウハギは習性から驚いたり、生命の危機を感じると元気な個体でも死んだふりをします。この習性から、購入した個体が弱っている、死んだのかと思って、あわてて水合わせをしないで水槽内に入れたり、水合わせを急いだりする人が多いので、気を付けてください!

袋の中で横たわり、本当に死んでいるのかと思うほど演技上手なので、もし手元のナンヨウハギが袋の中で横たわっていたとしても、死んだふりなので焦らず落ち着いて水合わせをしてあげてくださいね。

餌の種類、餌の選び方

自然海では動物プランクトンやサンゴ礁に付く藻類を好んで食べていますが、水槽内では人口餌を与えます。

人口餌:ひかりプレミアム海藻70、ひかりメガバイトグリーン、メガバイトレッド

基本は植物性の強い餌を多く与えるようにし、副食としてメガバイトレッドやフレーク類など植物性の餌で補えない栄養分を補給させてあげると健全に育ちます。

ナンヨウハギは、どの個体も餌食いが非常に良く、購入時の個体がよほど状態の悪い魚で無い限り、拒食や小食といった餌問題には無縁の魚です。

食欲も旺盛で、小さいサイズの個体でもバクバク餌を食べ続ける為、与える餌の量が不足しないように与えてあげてください。

ハギの仲間は餌を食べるのが下手な個体が多いのですが、ナンヨウハギは餌を食べるのが上手いので、S・Mサイズの個体なら上記人口餌のSサイズ、Lサイズ以降ならMサイズの餌で問題ありません。

もし口の大きさに対して粒が大きいようであれば、半分に割ってあげたり、小さく砕いてあげると良いです。

餌の与え方

ナンヨウハギは餌食いが良く、餌を与えるのに特に困ることはないのですが、沈んでしまった餌には興味を示さず、食べない個体も多いので、できるだけ浮いた状態の餌を食べてもらうようにした方が水を汚さなくていいです。

特に植物性の粒餌はメガバイトレッドやフレーク状の餌より沈みやすい特徴があるので、ナンヨウハギが物陰に隠れて警戒している時は与えず、手前に出てきて泳いでいる時や水面付近にいるときに餌を与えてあげるといいです。

水質・水温について

水質は敏感といわれていますが、キイロハギなどと同じく水槽環境に慣れてしまえば、穏やかな水質悪化に強く、多少塩分濃度が濃くなったり、PH低下、アンモニア数値が高くなるくらいでは急死したりしない魚です。

ただよく泳ぎ回る魚なので、その分酸素消費量が他魚より多く、単独飼育なら基本心配はいらないのですが、小さな水槽や混泳相手が多い水槽では酸欠により体調を崩したり、最悪☆になったりするため、水槽内の飼育魚の数を少なくしたり、エアレーションをしっかり行ったり対策を練る必要があります。

水温については高くするほど水槽内に溶け込む酸素量が少なくなるため、高水温になると致命的になり、24度前後と少し低めにしてあげる方が調子は良くなります。

穏やかな水質・水温変化には耐性がある方ですが、急激な変化には弱く、水換えの時に半分以上の水を一気に換えたり、塩分濃度や水温に差がある新水を入れたりすると簡単に調子を崩すので、そこは注意してください。

水換えの頻度と量としては、週に一度の水換えで1/3~1/4程度、バケツの水を水換えポンプや直接注水したりせず、エアーチューブなどを使用した点滴法で、時間をかけてゆっくり注水するようにしてあげることが体調を崩したり病気にさせないコツです。

ナンヨウハギの混泳について

ナンヨウハギは体格に似合わず温和な魚で、どの種類の海水魚とも平和に暮らせることが多い貴重な魚です。

気の強いスズメダイや体格の大きなヤッコ類、同じハギの仲間とも争わず平和にいくことが多いです。

ただ、ゆいいつ同じナンヨウハギ同士を混泳させるとケンカをし、かみついたり、突進したりしてナンヨウハギだけでなく、水槽内のレイアウトや他魚も巻き込まれて大惨事になるので、ナンヨウハギは1つの水槽に1匹だけ飼育するのが原則です。

ナンヨウハギの病気について

結論から言うとナンヨウハギは病気になりやすいですが、他の海水魚に比べて体力があるので治療はしやすいです。

特に白点病にはかかりやすく、生涯飼育していると、どなたも一度は経験すると思います。

なぜかかりやすいかというと元々ハギの仲間は白点病にかかりやすいことと、ナンヨウハギはライトを消して寝ているときに人間の様に横たわって寝るからです。

これはナンヨウハギ特有の習性で、水槽内に何も入れていないと砂の上で横になって眠り、ライブロックなどレイアウトを飾っていると、ブロック状なら、その上で眠り、枝状なら枝の隙間に挟まって眠ります。

この習性から起きて泳いだ時に砂をまき散らし、砂で体表面を傷つけてしまったり、砂の中に潜んでいる白点病の細菌を水槽内に蔓延させたりしてしまい、結果、白点病につながってしまうのです。

対策としては、水槽内に敷く砂を1cmくらいと浅めに敷いたり、砂の上で眠らないように専用の寝床を作ってあげたりするとリスクを減らせます。

ただ基本的にはライブロックやサンゴなどと一緒に飼育せず、魚だけを入れた水槽で飼育し、病気になった際に薬品やオキシドール、低比重による治療が瞬時に行えるよう状態にしておいた方が楽だし、飼育環境を変えずに治療できるためオススメします。

病気にかかった場合

白点病など病気にはかかりやすいですが、体力があるので、クマノミやデバスズメといった小さい魚やチョウチョウウオ、ツノダシなど病気にかかりやすく体力低めな魚たちに比べると治療して完治させることは難しくないです。

青と黒の色が体の多くを占めているので、白点病やウーディウムなどの病気にかかった際も発見しやすく、早期治療もしやすいです。

ハナゴイ類やヤッコなどに比べ、各薬品「銅治療は除く」やオキシドール、低比重などにも他魚と変わらないくらい耐性があるので、特に治療に気を使うことなくクマノミなどと同じような分量や方法で治療を行うことが出来ます。

サンゴとの相性

自然界ではサンゴ礁付近で生活しサンゴにとって邪魔な存在の藻類も食べてお掃除してくれることから、ソフト、ハードコーラルのどの種類とも相性は非常に良いです。

相性が良く食害も起こさないので、サンゴと同居させているアクアリストさんが多いですが、上記の病気の項目に記載したようにナンヨウハギは白点病になりやすく、サンゴ水槽では薬品や低比重療法を行うことが出来ないので、出来れば魚だけで飼育する方が望ましいです。

この関係からライブロックを入れた水槽で飼育するのも良くないです。

どうしてもライブロックを入れたいのであれば、デスロック化したものや人工ライブロックなどでレイアウトした水槽内で飼育するのが望ましいです。

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