認知症は生活を見直すことで約半分は予防可能! その生活原因と改善について

医学・健康
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今や身近になった認知症。一昔前にくらべ中年代でも起こる若年性認知症の割合も高くなり、高齢者にだけ起こる症状とは言えなくなってきました。
その中でも認知症の半分以上の割合を占めるのがアルツハイマー型認知症です。

アルツハイマー型認知症は、脳卒中や高血圧のない健康な人でも発症する可能性があり、遺伝で将来発症する可能性が高いことも報告されています。
その正体はApoE4「アポリポタンパクE」という遺伝子で、遺伝子を持っていない人の生涯発病率が9%に対し、両親両方から遺伝した場合は50%~90%「論文により変動あり」、片親から遺伝した場合でも30%もの発病率が生まれた時から決まっているという恐ろしい遺伝子です。
この話含む、認知症を発症させない予防法や治療法はこちらの本で紹介されています。

世界で初めて認知症は回復することが認められた論文を公表したデール・ブレデセン医師の著書です。

認知症の危険性

実は亡くなるリスクが高い認知症、統計データによると2000年~2019年の間に世界中で心疾患や肺疾患など重篤な病気で亡くなるリスクは減少しましたが、アルツハイマー病含む認知症により亡くなった人数は4.5割増加したそうです。

また高齢者の3人に1人がアルツハイマー病または別の認知症で亡くなっていて、癌などリスクの高い病気よりも命を落とす確率が高いのです。

アメリカの研究データでも70代の人々のうちアルツハイマー型認知症の人は、アルツハイマー病のない人と比較して、80歳より前に亡くなる人数が2倍多いことが報告されています。

他にもアルツハイマー病を含む認知症を患った人は心臓病、糖尿病、腎臓病など他の慢性疾患を患う可能性が高くなることも明らかになっています。

今や認知症は世界中で危険視されている症状であり、単なる物忘れの病気ではなく寿命をも大きく縮める症候群だと理解し、誰もが若い時から予防していくことが大事だと思います。

2025年には高齢者5人に1人が認知症の時代へ 世界中で認知症は年々増加しており、厚生労働省研究班の調査によると2025年には65歳以上の5人に1人が認知症を発症すると推測されています。

9月21日は「世界アルツハイマーデー」

世界保健機関(WHO)と国際アルツハイマー病協会(ADI)により毎年9月21日はアルツハイマーを考える日として制定されました。
今回この記事を載せようと思ったのも、今日が9月21日だったからです。

そして毎度のことながら前置きが長くなりましたが、ここから本題です。

認知症になりやすい人の12個の生活リスクについて

イギリスの医学誌THE Lancetに掲載された医学論文によると認知症になりやすい人は

高リスク「上から順に発症率が高い」
・大気汚染
・中年期の高度聴力低下・中等教育の未修了「15歳未満での教育未修了」
・喫煙

中等度リスク
・運動不足
・うつなど精神症状
・社会的孤立
・外傷性脳損傷「頭部外傷、脳卒中含む」
・過度の飲酒「週21単位以上が対象」
・高血圧

リスク
・過度の肥満「BMI30以上が対象」
・2型糖尿病

※ Dementia prevention, intervention, and care: 2020 report of the Lancet Commissionより一部引用

上記の12個の生活リスクが生涯認知症を発症する原因の約40%を占めているそうで、これらを予防するということは、ほぼ半分の人が認知症にならずに人生を全うできるのだと言えます。

項目ごとに詳しく記載すると

高リスク群で、中年期以降の難聴になっている人の3人に1人、喫煙者の3人に1人。

中等度リスク群で運動不足の5人に1人、高血圧の10人に1人、外傷性脳損傷や過度の飲酒者「※21単位/週」の9人に1人、うつなど精神症状がある人の8人に1人が将来認知症を発症していることになります。

※飲酒の1単位あたりの摂取量について
イギリスの公式見解でアルコール度数13%のワイングラス1杯は2.3単位としているので1週間に合計9杯以上飲んでいる人は認知症を発症するリスクが高いと言えます。

日本酒ならワインと同じ量、ビールなら500mlの缶1本でワインと同じ量になります。

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日々の予防対策について

大気汚染予防には工場や排出ガスが多い環境で仕事や生活を送っている場合は常にマスクをする、タバコを吸っているなら禁煙をする。禁煙を生涯続けることで非喫煙者に匹敵するほど脳・肺機能が回復するというデータも出ています。

難聴の場合は自分に合った補聴器をつけることで予防でき、運動不足の改善、血圧の改善をすることは肥満や脳卒中のリスク、糖尿病を予防することにつながります。

ストレス社会で生活していたり、一人暮らしなどで人と接する機会の少ない人は小さなものでも趣味や目標を見つけて毎日の楽しみを作ることで精神疾患の発病リスクを減らしましょう。
小さな趣味が見つからなければ、1日1回美味しいものを食べる、音楽を聴く、お風呂にゆっくり浸かるなどでも良く、これらはストレスを軽減することが分かっています。

おまけ

この12のリスクに加え、まだエビデンス「根拠」が足りず明らかになっていませんが、6時間未満の慢性的な睡眠不足も認知症の発症リスクに繋がることが指摘されています。
睡眠の不足は、うつ症状や肥満、高血圧、脳卒中発症リスクなどにも関連性があるため、最低6時間以上の睡眠は確保することを推奨します。

まとめ

認知症は生活を見直すことで4割も発症リスクを減らせることが判明しました。
公表された12個の危険因子を予防・改善することで将来認知症になることを遅らせる、ならない様に出来る為、これらの危険因子に1つでも当てはまっている人は生涯健康で過ごせる様に生活改善を行ってみてはいかがでしょうか。

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