薬浴中に☆になる原因と対策について

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飼育魚が病気になると魚病薬や塩で治療しますが、正しい方法で薬浴を行わないと治せる病気も治らないばかりか酸欠で病気のせいではなく呼吸困難に至って☆にしてしまうことさえあります。
この記事では、そのような飼育者による事故を起こさないために必要な対策と正しい魚病薬の治療方法について記事を書いています。

白点病や水カビ病など治る病気も治せない原因について

白点病や水カビ病、状態が悪くなって起こる尾ぐされ病など本来完治できる病気が治らないということは魚病薬の使い方、薬浴の仕方に問題があるケースがほとんどです。

その問題があるケースの代表的例としては

・魚病薬を完全に溶かし切っていないまま薬浴させている
・濾過槽や飼育水が古く汚れているまま薬浴させている
・薬浴中にエアレーションなどで酸素供給を行っていない
・魚病薬の成分でpHが急上昇し、水質ショックを起こした

などがあります。

実際薬浴中に☆にしてしまった飼育者の半数以上は上記条件に当てはまっています。
このような条件のもとで薬浴を行うと魚病薬の効果を十分に発揮出来ず治療効果が激減してしまうため、最低限上記の条件はクリアした上で薬浴を開始してください。

ちなみに細菌感染による病気にはグリーンFゴールド顆粒「以下GFG顆粒」、ウイルス感染が疑われる場合はグリーンFクリアーが長期薬浴に適しています。

病名が分からず病原体の種類も判断がつかない場合は、GFG顆粒から治療を始めるのが良いと思います。
3日以上経っても回復の兆しがみえない場合は、以下の記事を参考に薬剤を変えて治療を継続させてください。

病名が分からない飼育魚の生存率を飛躍させる病気治療について「淡水・海水共通」
白点病や水カビ病などと違い、病名も治療法も分からない病気や症状は珍しくありません。これら病名不明な観賞魚の病気に試すべき治療法と応急処置について記載しています。

魚病薬は別容器で完全に溶かした状態で水槽に投入すること

魚病薬は液体、顆粒に関わらず、必ず別容器で完全に溶かし切ったうえで薬浴を行う水槽に投与してください。
混ざるのが不十分で薬剤が残っていると魚が薬害を起こしショックで☆になってしまいます。

水槽内に直接投与して水槽内で混ぜる、一気に規定量投与するなどは薬害ショックを起こす主原因になるため、コップやペットボトルなど別容器でしっかり溶かし切ったものを少しずつ投与するようにします。
溶かし切った魚病薬を水槽内に投与する時も手やかき混ぜる物などで軽く拡散させながら入れてあげると、なお良いです。

Kyo
Kyo

オススメ容器はペットボトルです。飼育水を汲んだペットボトルに魚病薬を入れて、よくシェイクすると混ぜる手間も要らず、負担が軽く混ざるのでオススメです。

濾過槽は掃除、飼育水は半分水換えしてから薬浴開始すること

これも多くの人が誤解していますが、濾過槽や飼育水が汚いと薬剤が浸透しないこと、濾過槽内が病原体の巣になっているため、十分に効果を発揮できません。また硝酸塩やアンモニアイオン、硫化水素などの有毒ガスで飼育魚が臓器にダメージを受けエサを食べれなくなる、浸透圧調節が困難になって治癒どころではなくなることもあります。

なので魚病薬の効果を最大限に活かすためには薬浴前に飼育水を半分水換えし、濾過槽もしっかり掃除「ヌメリまで取る」してから薬浴を開始するようにします。

この内容については別記事「魚病薬の効果を最大限~」に詳しく手順を載せているので、そちらを参考にしてください。

魚病薬の効果を最大限にする、飼育魚の負担を最小限にする方法について
魚病薬が効かないのは水が汚い、濾過槽や底砂にゴミ・ヘドロが溜まっているなど環境に問題があるのが殆どです。薬効成分がきついと言われているのも使い方次第で効果抜群、負担最小限に出来る為、この記事でこれら方法を記載します。

濾過槽がキレイであると魚病薬の効き目の違いが今までと比べて段違いに変わり、治癒力の飛躍を実感することと思うので、ぜひ上記手順を参考に実施してみてください。

薬浴中は必ずエアレーションをかけること

魚病薬の成分の多くは溶存酸素を大量に消費するため、エアレーションをかけていないと酸素不足から魚が酸欠を起こし☆になってしまいます。
そのため薬浴中は必ずエアレーションをかけておく必要があります。
しかしエアーポンプがハイパワー過ぎると水槽内で強い水流が起きて、病魚をさらに衰弱させてしまうため、適度なものが良いです。

エアーポンプは酸素供給量、静音性、耐久性どれも高性能である水心シリーズがオススメです。
酸素吐出物はエアーストーンでも良いですが、水流が起きず気泡も細かく多く出るトットバブルも良いです。

優秀ですが、容器の底が開いていること、固定するための吸盤の耐久性が長持ちしないことがデメリットとして感じましたので、メダカやテトラなど小型魚の水槽で使うには底をカバーで覆うなど一工夫する必要があります。

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魚病薬の種類によってはpHショックを起こす危険性がある

魚病薬の薬剤成分の中には投与すると急激にpHを上昇させてしまうものもあります。
例を1つ挙げるとオキソリン酸がその代表で、薬剤成分のpH11と高いです。
これを水槽内に入れるとpHが急上昇するので、いきなり規定量を投与するなど行うと、ほぼpHショックを起こします。
なので、オキソリン酸が薬剤成分として含まれている魚病薬を使う時は規定量の1/5や1/6など少しずつ投与して様子観察し、問題が起こらないのを確認してから少しずつ規定量に近づけていく様に投与することが必要です。

オキソリン酸含有している魚病薬

・パラキソリンF「経口摂取用魚病薬」
・観パラD
・グリーンFゴールドリキッドなど

Kyo
Kyo

オキソリン酸は穴あき病や松かさ病などで使われることが多い魚病薬です。
使用する場合に観パラDは1ml辺りの成分含有量が多いので大型水槽用、グリーンFゴールドリキッドは小型水槽用として使い分けると良いです。

今回はオキソリン酸を例に挙げましたが他の魚病薬でも薬剤成分によってはpHを上昇させるものがあるため、使用したい魚病薬がある時は成分や特徴を調べてから使用することをオススメします。

まとめ

薬浴治療中は以下の様に

・いきなり規定量を投与することは避け、半分や1/3~など少しずつ慣れさせながら投入していく
・魚病薬は別容器で完全に溶かし切ってから少しずつ拡散させながら水槽に投与する

・濾過槽掃除、飼育水は半分水換えしてから魚病薬を投与する

・薬浴中は常にエアレーションなどで酸素供給を行う ・魚病薬の成分によってはpHが急上昇し水質ショックを起こすことがあるので、使用したい魚病薬の成分と特徴を知ったうえで使用する様にする

上記を最低限守れば薬害ショックを防ぎ、治癒回復力も大きく向上すると思います。
ただ治癒率は病気の種類にもよりますので、薬浴はケースバイケースで臨機応変に調整して治療してあげてください。

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