ネオン病の原因、予防、治療法について

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ネオン病とはテトラやグッピーなど主に小型魚に発症する観賞魚の病気です。
以前はネオンテトラやカージナルテトラなど小型カラシン科の小型魚が発症する特有の病気とされていましたが、近年ではグッピーやメダカなど小型カラシン以外の小型魚にも感染・発症することが多くなりました。

ネオン病の原因・特徴

ネオン病の原因はカラムナリス菌と呼ばれる滑走型細菌が体内に侵入することで感染・発症します。カラムナリス菌は、せっそう病とも呼ばれ、強い尾ぐされや口ぐされを起こす病気と同じ種類の細菌です。
ただネオン病の場合は魚体内の筋肉組織に入り込み、筋肉組織や細胞を壊死させていくため、尾ぐされ病より治療が難しく、何も処置せずにいれば集団感染、飼育魚全滅なんてことが起こる怖い病気です。

感染力が非常に強いので1匹でも感染魚が見つかれば、あっという間に広がる為、早急に病魚は隔離し、見つかった水槽は半分水換えし、濾過槽全掃除、最後に規定量半分の抗菌剤「GFGなど」を投与して薬浴させて連鎖感染予防に努めてください。

隔離した病魚は小型容器に入れて水質変化防止のため半分水換えで排水した飼育水をトリートメント浴用の薬水として使用し、対応する魚病薬や後述する治療薬を使って治癒完治を目指します。

ネオン病の症状

初期としては餌食いが悪くなり、泳ぎや反応が鈍くなる、次いで体色が薄くあせる、白っぽくなる、ふらふら泳ぐなど症状が変化していきます。

一概に症状の順番は無く、1日で急に白くなったり、拒食したりするケースもありますが、だいたいは上記の様な進行をたどります。

初期症状
・餌食いが悪くなる、エサ取りが下手になる
・泳ぎや驚いた時の反応が鈍化する

進行した時の症状
・水面や酸素が多い場所から離れなくなる
・群れから離れて泳ぐ
・体表のカラーラインが途切れて、途切れた部分は白く脱色する

重症化
・ふらふらと力なく泳ぐor水流に負けて流されながら泳ぐ
・エサを食べ無くなる
・体表の白く脱色した範囲が大きく広がる
・脱色した部分から血がにじむ、体表出血を起こす

例外もありますが、だいたい上の様な症状が数個当てはまったらネオン病だと思って治療してください。

ネオン病に塩水浴は危険!絶対に行わないこと!

カラムナリス菌は塩水耐性があるため0.5%程度の塩水濃度では逆に元気に活性化するので、一般的な塩水浴をしてしまうと逆に病気を悪化させてしまうので絶対に行ってはいけません!
もし塩水浴を行うのであれば、0.6%以上の高濃度塩水浴で治療を行ってください。

ただしネオン病のカラムナリス感染は組織内に入り込んで筋繊維や細胞を破壊しているため、病状が進行しているネオン病の魚なら浸透圧調整不全になっていることが多いので高濃度塩水に耐えられないことがあります
そのため、塩水浴にこだわらず、次に紹介している魚病薬や水産用の治療薬を使って治療することをオススメします。

治療効果がある市販の魚病薬

ネオン病の治療には抗菌剤を使います。
市販されている抗菌剤にはサルファ剤とフラン剤があり、フラン剤の方が魚体吸収率が良く即効性があり、よく効く反面、薬効時間は短いので短期勝負になります。
エルバージュなどがその代表で、よく薬の成分が強いと言われるゆえんです。

エルバージュがきついのではなく、薬効期間を守らず再投与などで長期薬浴に持っていくから薬害を起こすのであって、エルバージュ自体は優秀な魚病薬です。
「常備すべき魚病薬~」で薬の特徴とおおまかな分類分けをしているので、参考までに読んでみてください。

常備すべき魚病薬、添加剤について「永久保存版」
観賞魚が病気になった時、病名や原因を特定することは困難を極めます。家庭アクアリウムでは血液検査や細胞検査はもちろん、顕微鏡での病理検査など病気の究明が不可能だからです。魚病で代表的な白点病1つとっても、白点病と思い治療していたらウーディウム...

また魚病薬の効果を発揮する為には古い水や濾過槽が目詰まりを起こしている状態では薬効成分が弱まり、十分に効果を活かすことができません。
魚病薬の正しい使い方についても、別記事で紹介しているので、治療開始前に必ず読んで、病魚を薬害で落とさないにしてください。

魚病薬の効果を最大限にする、飼育魚の負担を最小限にする方法について
魚病薬が効かないのは水が汚い、濾過槽や底砂にゴミ・ヘドロが溜まっているなど環境に問題があるのが殆どです。薬効成分がきついと言われているのも使い方次第で効果抜群、負担最小限に出来る為、この記事でこれら方法を記載します。
Kyo
Kyo

薬浴の利点はエサを食べられなくなった病魚にも治療が出来ることですが、欠点はネオン病の様に組織内に病症を起こすものには治癒効果が弱くなることが挙げられます。

上記は薬浴で効果がある治療法ですが、餌をまだどうにか食べられる病魚には経口摂取で直接体内に薬剤を浸透させる方が治癒効果が高いです。

パラキソリンfは経口摂取で飲ませるタイプの細菌感染症治療薬です。
とても人気で近年売り切れが続いており、入手が難しくなっています。
通販サイトで入手できない場合は、行きつけのペットショップや観賞魚販売店で問屋に良い合わせてもらってください。

ネオン病に治療効果大の魚病薬

ネオン病の治療に有効な水産用魚病薬としては
・スルファモノメトキシンソーダ
・オキシテトラサイクリン系の魚病薬剤

上記の様なものが有効です。
ただ一般販売されておらず、入手には獣医師の処方が必要になりますので、魚類も診察対象としている動物病院に相談し、使用方法についても獣医師さんから説明を受けてください。 なお、魚病薬全般に言えることですが、魚種によっては使えない場合もあるので飼育魚に使用できるかどうか調べたうえで、用法・用量を遵守し、完全に溶かし切って薬の残留物が残っていないことを確認してから経口投与してください。


なお、魚病薬全般に言えることですが、使用する時は用法・用量を遵守し、完全に溶かし切って薬の残留物が残っていないことを確認してから経口投与してください。

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ネオン病の予防について

カラムナリス細菌は水質悪化や酸素過飽和状態になった酸性寄りの水で特に発生しやすいです。
だいたい発症しやすい環境を挙げると

・古くなった酸性水
・ゴミ・ヘドロの詰まった濾過槽
・底砂に溜まった腐敗物を水中に巻き上げた
・藻類がびっしり生えた、その苔を一気に掃除した

主には上記の様な環境がネオン病を発症させる原因です。
なので常日頃から定期的に水換えし、濾過槽も数か月に一度ヌメリまで残さず掃除し、腐敗した汚水や細菌の温床を作らせないことが最大の予防になります。

あと藻類や苔が水槽内にびっしり生えたままになると、日中は光合成により酸素の過飽和、夜間は呼吸により飼育魚が酸欠になるため、これらを生やさない、生えたらすぐ掃除することを意識しましょう。

Kyo
Kyo

藻類には無数の雑菌が眠っており、大量に生えた苔を水中で掃除してしまうと一気に菌が水槽中に広がり、水槽内が病原菌だらけになってしまいます。
常日頃から小まめに取り除き、大量に生やさせない様に管理しましょう。

あらかじめ苔が生えない様に対策するのも面倒が減って楽ですよ。

水換え、濾過槽掃除に関しては水槽に収容している飼育魚の数や種類によって頻度が変わってくるよ。ネットで検索すれば簡単に飼育数の目安が分かる為、調べてみてね。

ちなみに藻類大量発生による酸素過飽和とエアレーションによる溶存酸素量増加は全くの別物で、エアレーションをたくさんかけることにより酸素過飽和になる、ガス病になるというのは間違いです。
ネット情報で誤解している人が多い為、ここで追記しました。

最後に

・ネオン病の原因はカラムナリス滑走菌が体内の組織内に侵入し、筋繊維や細胞を破壊することで重症化していく進行悪化の早い病気です。

・滑走菌は感染力が非常に強い為、1匹感染した魚を見つけた場合は集団感染による全滅を防ぐために、即病魚を隔離治療してください。

・ネオン病の最大の予防は水を古くしないことと濾過槽を目詰まりさせないこと。
そして即病魚は隔離、残りの飼育魚にも感染防止として薬浴実施!
大事なのは感染を広げないことと思ってください。

・ネオン病はテトラやグッピー、メダカなど群れで泳ぐ小型魚に発症しやすい病気です。
小型魚は病気の進行が早く、体力も低いので、重症化するのが早いです。
水産用の製品は動物病院専売商品なので、治療効果は抜群に高いです。
処方が必要な為、困った時は、お近くの獣医師さんを訪ねてみましょう。

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