淡水魚の白点病の治療法・予防について

メダカ・金魚
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淡水魚の白点病は観賞魚の病気治療に中で治療しやすく予防しやすい病気になります。
しかし安易に考えて治療せずに放置しておくと重症化し飼育魚を落とすことになるため、もし発症した時は必ず治療してあげる様にしてください。

アイキャッチ画像出典元:日本動物株式会社 http://www.jpd-nd.com/n_jpd/shinryo/shinryo.html

白点病の見分け方

ウーディニウム病「コショウ病」と見た目が非常によく似ている為、治療選択を間違えやすいですが、白点病の場合は白い点々が大きめで全身にみられるのが特徴です。

またツリガネムシに寄生された時も白点が体表にみられますが、よくよく見るとツリガネムシの場合は丸い白点ではなく、いびつな形をしているため、しっかり観察すると見分けられます。
下記画像はツリガネムシ「エピスフィリス症」の感染魚の参考例です。

出典元:日本動物株式会社 http://www.jpd-nd.com/n_jpd/shinryo/shinryo.html

白点病の原因について

白点病は白点虫と呼ばれる寄生虫が魚類の体表や各ヒレに付着し寄生することで感染します。特徴として高水温下では活動できなくなるため、飼育水温の低い水槽で発症しやすい病気です。

白点病感染の特徴について

白点病に感染すると初期症状として飼育魚の体表やヒレに小さな白点がみられます。
初期の状態では1個~数個ていどの数しか付着していませんが、数日後には無数の白点がみられるようになります。
なので、体表に数個の白点がみられた時点で治療を行う必要があります。

治療せずに放置したり中途半端な治療で終わらしてしまうと白点がみるみる増えていきエラ内部まで寄生し呼吸困難で窒息することになるので、見つけ次第治療を行う必要があります。

白点病の症状について

感染した場合、飼育魚は体をブルっとふるわせたり、流木や底砂、レイアウト物に体をこすりつける様な仕草を見せる様になります。
他にも各ヒレをバタバタと素早く動かしたり、エラ呼吸が普段より早くなる、急にビュンと泳いだりなどの行動を見せることがあります。

これらの行動を見せた時に体表に白点がみられなくても、エラの内側やヒレの付け根など外見で見られない場所に寄生している可能性があります。
いつもと明らかに違う異常行動が見られた場合は不調のサインだと考え、例え白点病で無かったとしても、水質試験紙で水質チェックしたり、魚病薬を少量添加し進行を遅らせるなど、初期段階で魚に体力が残っているうちに病気の重症化を食い止めたり、病気感染を事前に予防する様に対応してあげてください。

白点病の治療について

白点病の治療は魚病薬+水温上昇での治療が基本になります。
26度以上の水温を保つと白点病の活動は鈍くなり、28度以上になると白点虫の活動は停止します。
こう書くと水温上昇だけで治療が十分可能の様に思えますが、活動を停止しただけで死滅しているわけではないので、シストと呼ばれる休眠状態のまま水槽内で生き続けているので、水温を元に戻すと活動を再開します。
なので白点がみられなくなったからと水温を下げると再び寄生します。

白点病の治療にはメチレンブルーが昔からよく使われています。

オートヒーターでは26度以上に昇温できないため、サーモスタット式のヒーターを使用しましょう。

そして白点虫が付着した体表には寄生する為に付けられた小さな噛み傷が無数に出来ているため、そこから別の病気に感染したり、魚の体力を奪うことに繋がってしまいます。
その為、魚病薬で飼育水を殺菌した状態で、再感染や2次感染を防がなければなりません。

これらの理由から高水温にするだけでなく、魚病薬も併用して白点虫を駆除する必要があります。

治療中の注意点

①治療は高水温下で行うと書きましたが、飼育水温が低い場合は短時間で急激に水温を上げると、それだけで飼育魚を衰弱させ、最悪の場合は☆にしてしまう危険性があります。

そのため1日に上昇させてよい上限値は、飼育水温に+3度までにしましょう。
上記の数値でも一度に3度上昇させるのではなく、ヒーターの温度を現在の温度から1度上昇させ、2~3時間後に1度、その2~3時間後に1度という風に少しずつ上昇させていくのが負担が少なく安全です。

②水温上昇する前に、まず魚病薬を入れてください。
なぜなら先ほど書いたように白点虫はシストになってしまうと魚病薬が効きづらくなるからです。
なので魚病薬を入れた状態で緩やかに水温上昇させていき、魚体から離れて水中を浮遊した白点虫がシストになる前に魚病薬の効果で死滅させていきます。

※なお、魚病薬の効果を最大限に発揮させるためには、当サイトにある別記事「病魚治療の効果を高めるコツ・知識」の項目を参考にしてください。

③高水温下では溶存酸素量が激減するため、絶対にエアレーションをしてください!
また魚病薬の成分の多くは水と混ざり溶け込む時に溶存酸素を消費するものがあります。
治療の前に酸欠で落としかねないので、薬浴中はエアレーションをつけましょう!
「詳しい内容、エアーの適当な強さなどは上記の※の項目に記載しています。」

最後に塩を水槽に入れる塩水浴で治療するケースも多いですが、個人的にはあまりオススメしません。
もし白点虫ではなくツリガネムシであった場合は塩を入れることで動きが活発になるため、症状を悪化させます。
コショウ病であった場合も魚類の回復速度よりも病原菌の進行速度が勝るために、やはり悪化しやすくなります。

そして塩水浴は水質悪化を早めるため、毎日水換えする必要があり、治療中の手間が増えます。

以上の理由から、私は基本塩水浴を使用せず、魚病薬での治療を行っています。

魚病薬の選択、治療法について

淡水魚の白点病は治療の難しい病気では無いので、白点病に効果がある魚病薬であれば何でも良いと思います。
先に紹介したような白点病治療に有名なメチレンブルー系やマラカイトグリーン液、グリーンFクリアーなどを使いましょう。

それぞれの使用方法は魚病薬パッケージや取扱説明書に記載されているものを遵守し、用法・用量を守って使用してください。

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