ダメージリスクを最小限にする淡水浴のやり方

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淡水浴は海水魚の寄生虫駆除やトリコディナなど病気治療によく用いられています。
よく知られる方法でありながら淡水浴のやり方を間違えると海水魚に重症を負わせ☆にしてしまうこともあるため、正しい淡水浴の方法で行う必要があります。
ここではその実施方法と病魚の場合の実施方法について主に記載しています。

淡水浴の効果について

海水魚における淡水浴は浸透圧差を利用して寄生虫や病原菌を駆除する方法です。
淡水魚における塩水浴と同じ原理であり、海水耐性のある病原体を淡水に浸すことで体内と体外の浸透圧差を調整出来無くして脱水を起こし病原体を死滅させる効果があります。
海水魚も淡水では生きられませんが、2~3分程度の短時間内であれば実施可能で病原体の方が先に耐えられなくて体表から剥がれ落ちます。

淡水浴の準備、実施方法

淡水浴用の水は必ず飼育水槽と同じ温度、同じPHに合わせ、塩素除去してから海水魚を淡水浴させるようにします。温度は合わせるがPHを合わせず行いPHショックを起こす飼育者のミスが結構多く聞かれるので、ご注意を。

PHは専用の測定器で調べるのが一番正確に測れます。
試験紙では大まかにしか分からず同一に合わせることが困難なこと、低価格のものは数値に誤差が出やすいので、アクアリウム用のPH測定器を使うことをオススメします。

温度、PHを合わせ、塩素除去をしたら、そこに海水魚を泳がせます。
そのままでも淡水浴の効果がありますが、ウーディニウムやエラ病などエラ内部が傷ついている様な状態であれば、溶存酸素を供給するためにエアレーションをしておくと良いです。

大体はバケツやプラケースなどの容器で淡水浴を行うと思うので、エアレーションをかける場合はパワフルなものは避けます。
強すぎると水流が発生し病魚や衰弱魚なら体力を削られるからです。
淡水浴では小型水槽用の弱めのエアーが出るものにしましょう。

実施時間としては1分~3分以内、飼育魚の健康状態に応じて時間を調整してあげてください。

淡水浴実施時の注意点!

塩素除去するのにアクアセイフを使う人が多いと思いますが、エラが傷ついてる、弱っている様な海水魚には絶対に使用しないでください。
アクアセイフは塩素除去し粘膜保護をする役割が便利な反面、粘液性があり魚のエラが傷ついている場合、そこが粘液にコーティング保護され、呼吸困難につながるため、危険です。
スズメダイやクマノミの様に丈夫な海水魚では、あまり心配はいらないかもしれませんがヤッコ類やチョウチョウウオなどエラ内部に寄生虫や病気感染しやすい魚にはパーフェクトウォーターの使用を強くオススメします!

パーフェクトウォーターは粘液性が無いため、病魚や衰弱魚にも安全に使用できます。
病魚に使用する水道水の塩素除去に不安がある場合は、パーフェクトウォーターを使いましょう。

淡水浴後のケアについて

短時間なら可能と言っても淡水浴後は海水魚の体表粘膜は薄まり病気への抵抗力が低下した状態になるため、淡水浴後に戻す飼育水槽が寄生虫や病原体の温床になっていれば、すぐに再寄生、再感染を起こしてしまいます。
水換えや濾過槽掃除を怠っている、水槽壁面を苔が覆っている様な環境では、病原体が無数に潜んでいるので、淡水浴と同じタイミングで濾過槽掃除、コケ取りなどはしない方が良いです。

Kyo
Kyo

濾過槽は掃除後に水を通すとろ材や濾過槽壁に付着した菌が水槽内に大量に流れ出てくるため、抵抗力が戻っている時にしましょう。

kyoは淡水浴実施後に感染予防目的で飼育水槽に少量の魚病薬を投与しています。
薄く色づく程度でも予防効果はあるため、エビや貝、無脊椎動物「サンゴ、イソギン」、ライブロックなどが入っていない水槽であれば投与するのがオススメです。

Kyo
Kyo

ほんのり色づく程度であれば濾過バクテリアに大きなダメージはありません。濾過バランスも崩れないと思うので、予防目的で投与はオススメです。

上記の様な魚病薬が使えないものが水槽内にいる場合は、クロマジェルやフコダインを添加するのがオススメです。

フコイダンはモズクなど海藻に含まれる成分で、海水魚の病気の原因となる菌やウイルスを捕縛し吸着することで病気を発生しにくくするものです。
自然界でも海藻が多く生えている場所で育ったサンゴや海水魚には白化や寄生虫、病気感染しているものが他海より大幅に少なかったという統計データもあるため、病気予防に一定の効果はあるのだと思います。
詳しい作用機序は上記の商品ページに記載説明があるため、そちらを参照してください。

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淡水浴できない海水魚

ほとんどの海水魚に実施可能な淡水浴ですが、淡水浴自体が禁忌の海水魚もいます。
代表的なものにジョーフィッシュ、ハナゴイ、コケ取りウオ「ギンポ、カエルウオ」、ニセモチノウオの仲間などは淡水に耐えることが出来ない為、実施時間関係なく淡水浴自体が不可能です。

もし、これらの海水魚に淡水浴実施した場合は、数日以内に高確率で☆になるため、上記海水魚には絶対に淡水浴を行わない様にしてください。

Kyo
Kyo

運よく☆にならなくてもショックで拒食や失明などを起こすので、ごく短時間であっても無理に行わない様にしてください。

上記以外でも3cm前後の豆サイズの幼魚ヤッコや豆チョウなどもリスクが高いです。
自宅の海水魚を淡水浴する場合は実施可能かどうか下調べしてから淡水浴を行うことをオススメします。

最後に

寄生虫除去や病気治療に便利でコストのかからない淡水浴ですが、正しい方法で行わないと病気よりも先に天に召される可能性があるため、この記事を参考に安全に配慮して行う様にしてくださいね。

この記事では淡水浴について書きましたが、当サイトでは観賞魚の病気治療や予防法、飼育のイロハなど色んな記事を書いているので、ぜひ読んでみてください(^^♪

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