観賞魚の目の白濁は何が原因?各パターン別の治療法とともに解説

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メダカや金魚、ベタなどの熱帯魚を飼育していると魚の眼が白く濁ることがあります。
原因は様々で命に別状は無いことがほとんどですが、放置しておくと多くの場合、失明に至ります。失明してしまうと治療を尽くしても二度と元には戻らないので、飼育魚の目が白くなっている姿を見かけたら早めに治療してあげてください。

観賞魚の目の白濁の原因について

観賞魚の眼が白く濁った場合、様々な原因がありますが、主には以下の様なものが原因です。

・眼に擦り傷やケガなどで傷ついた時
・水質ショックを受けた時
・眼の中にガスがたまった時
・流木のアク抜きを怠った時
・寄生虫が付いた時
・目の中に細菌やウイルスが入った時
・衰弱した時や病気に感染した時の症状

これらの原因により魚類は目に粘膜を張って保護しようとする防御反応によって飼育者からは目が白く濁っている様にみえます。

Kyo
Kyo

眼の中に窒素ガスや有毒ガスがたまった時、水質ショックを受けた時は例外で保護膜を張っているのではなく、眼の中に症状が起きています。

次に一つずつ詳細に解説していきます。

眼に擦り傷やケガなどで傷ついた時

飼育魚の眼の表面に擦り傷が出来たり、ケガを負ったりすると目から出血したり白く濁ることがあります。
擦り傷が出来る原因で多いのは魚が底砂や流木、水槽の壁などに目をこすり付けることです。寄生虫感染などで目の不快感や、かゆさから擦りつけることが大半ですが、白点病やウーディニウム「コショウ病」などでも同じ行動をとることがあります。
いずれにしても飼育魚の頭の先から尾ひれまで体表の隅々をよく観察することで発見できるので、確認してみてください。

Kyo
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特に危険なのはヒーターに目をこすり付けることです。傷だけでなく火傷を負って目がただれることもあります。水中ヒーターにはヒーターメイクを取り付けることを強くオススメします!

最初から付いているものもあります。

治療・対処について

すでに目に傷があって、何かにこすり付けている時は水槽内にケガを悪化させるようなレイアウト「人工物、流木など」は取り除いてあげてください。
そして目から細菌や雑菌が侵入しない様に、感染予防としてGFG顆粒などの魚病薬を規定量の1/3~1/4ぐらいでいいので、よく溶かし切ってから水槽に投与すると良いです。

メチレンブルーなどでも良いですが、GFGの方が幅広く予防に有効で長期薬浴にも向くため、個人的にはオススメします。

Kyo
Kyo

白濁が濃い場合は規定量の半分でも良いと思います。魚病薬に弱い魚もいるので飼育魚の薬剤耐性をよく調べて、ケースバイケースで投与量は調整してあげてください。

水質ショックを受けた時

水質の急変やpHショックなど水質ショックを受けた時も目の白濁を起こすことがあります。眼の中にガスがたまったことで白濁、水質ショックにより浸透圧調整がコントロール出来なくなって白濁したりなどが主な原因です。
他の目の白濁原因より重症なケースが多いので、別記事で書いている「」を読んで、早急に処置をする必要があります。

眼の中にガスがたまった時

水質ショックの文でも少し触れましたが、眼の中にガスがたまることでも白濁、失明に至ります。ガスがたまる主な理由は水質悪化や水質ショックによるものです。
アンモニアや硝酸塩が過度にたまったり、窒素や硫化水素が大量に発生したりすると魚の眼の中にもガスがたまり白濁、そのガスの有毒性で放置すると失明に至ります。

治療・処置

水質の急変により起こっているため、水質を戻すことが回復に繋がります。
呼吸苦や泳げなくなったなどの急を要する時は生命優先して塩素除去しpHと水温を合わせた新水などに移しますが、眼の白濁だけでいつもと変わらない様子であれば、毎日1/5ほどの水換えや濾過槽の掃除をして水質を改善させてください。

アンモニアや硫化水素が発生し飼育水が白く濁っている場合は、毎日の水換えに加えゼオライトを入れて有毒ガスを吸着させたり、エアレーションをかけて曝気すると良いです。

流木のアク抜きを怠った時

流木のアク抜きをしなかったり中途半端に済ませた場合も目の白濁の原因になります。
流木は枯れた木の破片である為、きちんと処理してから水槽内にレイアウトしないとゴミや雑菌を持ち込むことになります。
ネットの情報の中には流木のアクはブラックウォーターであるから心配ないという記事もみられますが、上記で書いたように、何の処理もせず飼育水に放り込むとゴミやホコリ、雑菌やウイルス、寄生虫の卵から産まれた感染源が飼育魚に寄生し目の障害や病気の元になるため、絶対にアク抜きは行ってから入れてください。

治療・処置について

もしすでに流木のアクにより飼育水が変色している、もしくは飼育魚に異変が起きている場合は、早急に流木を取り出し、飼育水の半分を水換えorリセットを行ってください。
リセットを行う場合は塩素除去+pHと水温を飼育水と同じに合わせた後に飼育魚を水槽内に放流します。

よく紹介されている活性炭による吸着などでは時間がかかるので、吸着除去している間に飼育魚が失明したり、最悪☆になることもあるので、Kyoは飼育水の半分水換えやリセットをオススメします。

飼育水の半分水換えでは当日に半分、翌日からは1/3ずつ交換を3~4日間ほど行うと効果的です。

寄生虫が付いた時

目の表面や眼の周りに寄生虫が付着した時も目が白濁することがあります。
これは粘液を出して目の膜を保護しようとしているためです。
寄生虫の種類にもよりますが、放置しておくと失明するので、寄生虫を除去する必要があります。

治療・対処について

よく聞くイカリムシやウオジラミなどの甲殻類寄生虫にはデミリンという薬剤がよく効きます。
ツリガネムシなど塩分耐性があり薬剤も効きにくい手強い種類の治療法については別記事で紹介しているので、そちらを参照してください。

アロワナ・古代魚に寄生虫を寄せ付けない方法
エサ金やヒメダカなど活餌に寄生虫が付いていた場合に寄生され、イカリムシ、ウオジラミ、ツリガネムシなどが有名です。この方法はこれらの寄生虫と卵にも駆除効果がある方法です。

目の中に細菌やウイルスが入った時

目の周りや眼球内に病原体が入った場合にも目が白濁したり、目が急に突び出すことがあります。
目の中に異物が入って刺激することで目の細胞が損傷したり、生体の防御反応で粘液を出して目を保護しようとする働きをするため、外見上で白濁したり亀裂が入ったり見えます。
この場合、治療するのが難しく、失明になる危険性が非常に高いので、体内への浸透性が良い経口投与タイプの魚病薬を与えると良いかもしれません。
あとは常に清潔な飼育水を保つために治療中は水質チェックを定期的にしながら汚れの少ない飼育水を維持し、飼育魚の免疫力向上と回復力向上を図ることも治癒に影響するので、水質の維持・向上を目指してください。

衰弱した時や病気に感染した時の症状

何らかの原因で衰弱したり病気感染した魚も病気への抵抗力が減少し免疫力低下から目の白濁を起こしたり、病気の中の症状として目の症状が出ることがあります。

治療・対処について

感染源によりますが原因元である病気を治療しない限り目の症状は完治しないと思われる為、病気を治療する必要があります。
衰弱による場合は、衰弱の原因元をたどる必要があります。
弱っていくのはエサか水質か混泳か酸欠かなど栄養の偏りや拒食、ストレスなど原因は多種にわたるため、今の飼育環境をしっかり見直し、原因を見つけてあげてください。

予防について

どの原因で発症するにしろ、結局は汚水にしてしまうこと、病気の原因を持ち込むことで目の白濁が起こります。

この記事内でいくつか代表例を紹介したことを事前に防ぐことが予防になります。

現在飼育している魚であれば日々の健康チェックや週に1度の水質チェック、飼育数や水量に応じた適切な頻度の水換えや濾過槽の掃除を行い、新しく魚を増やしたのであれば、本水槽にそのまま泳がせることを避け、まずはトリートメントとして薄めの薬浴をして体調を回復させること。そして病原菌をしっかり落として持ち込まないこと。

基本的な飼育設備がある程度整っていれば、急激に水槽が崩壊することはありません。
たいていは上記の様なことをしばらく怠ったことや、ある日大量に魚を追加して、ろ過バランスが崩れたり酸欠を起こしたなどです。

最後に繰り返しになりますが、目の白濁は生命に危機を及ぼすことはほとんどありません。
※目に雑菌やウイルスが入った場合は例外
ですが、最後は失明することになるので、命に別状は無いから大丈夫。ではなく、きちんと対処・治療して、いつまでも健康で不自由のない生活を送らせてあげてくださいね(^^♪

当HPでは他にも様々な病気の治療法や予防法、飼育に関することなど記事を掲載しています。
病気治療に必要なのは長年の飼育スキルではなく、専門的な知識と技術による治療スキルであるため、困った時はぜひ読んでみてください。

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