海水魚のウーディニウム病「コショウ病」の治療法と薬浴の注意点

海水魚
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海水魚の体表に極小の白い点々がついている場合、ウーディニウムに感染している可能性があります。よく間違う白点病との違いは、白点の大きさです。
白点病の大きさは粒、ウーディニウムの大きさは粉ぐらい大きさに差があります。

白点病とウーディニウム病の比較「画像付き」

↑白点病:原因は白点虫の寄生

↑ウーディニウム病

上記はスミレヤッコですが、白点病はスマホカメラでも、はっきり写る大きさ、ウーディニウムは至近距離で撮影してもほとんど写らないほど小さいです。
大きさの目安としては白点病は0.5mmほど、ウーディニウムは0.1~0.2mmほどなので、どうしても判断つかない場合は目測してみると良いかもしれません。

Kyo
Kyo

写真のウーディニウム感染魚は全身に無数の白点がついていますが小さすぎて写真に写りませんでした。写真では尾ひれに付いています。

症状

全身をこすり付ける、身震いさせることから始まり、エラが閉じたままor盛り上がる、呼吸が早い、じっとしていて泳がないと進行していきます。
※初期症状では体表に白点がみられなくても上記症状が出ることがあります。
これが進行し重症化すると粉状の点々が無数に付着して拒食、水底で動かなくなり、最終的に横たわり呼吸できなくなります。進行速度が早く、付着場所が悪ければ数日と待たずに☆になるため、早急な治療が必要です。運悪くエラ内部に好発すると最悪その日のうちに☆になることもあります。

Kyo
Kyo

水質悪化や病魚との混泳、水流の当たらない淀んだ場所がある等、主に飼育水が汚水になっていたり、流れが止まっている場合に発病しやすいです。

特に海水魚飼育では立ち上げてから3か月も経てばバクテリアが十分繁殖し濾過が安定してくるので少々汚れても緩衝作用が強く働き水質維持しようとするため、PHの穏やかな下降や水質変化に気づきません。

ここが落とし穴で「なんだ、意外と海水魚飼育って簡単!」と水換えや濾過槽メンテナンスをサボりがちになる、どんどん海水魚を追加すると、濾過槽は目詰まり、ろ材は効果切れ、飼育水は魚が住める限界を超えて汚れて、海水魚たちの健康は急変します。
ここから飼育魚の異変に気付いて慌てて魚病薬投与や水換え等を張り切って行いますが、衰弱した海水魚では浸透圧の調整が出来ずに呼吸困難、耐えれる体力が残っていなかったりするため、助けられずに多くは☆にしてしまうので注意が必要です。

Kyo
Kyo

海水魚は余分な海水や栄養を体外に排出するため、非常に濃度が濃い排泄物が出ます。小さなクマノミでさえ淡水の4倍以上も飼育水を汚すので、週に最低一度は水質チェックをしてください。

水質チェックはイソギンチャクやミドリイシなど敏感な種類を飼育していないのであれば、簡易チェックのものでOKです。

ウーディニウム治療時の注意点!

汚れきった古い海水ではPHが低下しているため、水換え量を多くしてしまうと水質急変が起こり飼育魚がPHショックを起こしてしまいます。衰弱魚や病魚は浸透圧調整や呼吸が弱っていることが大半なので、低比重への切り替えなどもしない方がいいです。

Kyo
Kyo

低比重は呼吸を楽にすると言われてますが、衰弱魚は浸透圧調整が困難になるため比重の変化に適応出来ず、落としてしまうことになるのでご注意を。

古い飼育水は一気に水換えしない!PHの数値を合わせること!

古くなった飼育水は水量の1/5~1/6ずつを限度とし、注水で追加する海水は飼育水槽のPHと同じ数値に調整して合わせてから注ぐようにしましょう。

PH測定はリトマス紙だと数値に誤差が出やすいので、測定器を使うのが正確でオススメです。

重度のウーディニウム病、エラ病には薬浴、低比重は禁忌!

ウーディニウム病が進行するとエラ内部や口の中にまで付着する為、エラ呼吸や摂食がしづらくなってきます。重症化するとエサを食べれない、呼吸困難に陥るので、早急に治療しなければなりませんが、薬浴や低比重は行わない方が無難です。

冒頭にも書いたように魚は浸透圧の調整をして体内の水分を維持していますが、病魚ではこの機能が弱り、比重の変化や魚病薬の成分に適応できなくなるからです。

エラが開閉しにくくなる、拒食がみられる場合は、エラ内部にまで進行していると思われる為、淡水浴を実施して寄生しているウーディニウムを全て剥がす方が病魚の生存率が高いので、このような重症化がみられる場合は淡水浴がオススメです。「後述」

水温は変化させないこと!

水温の上昇は致命傷を与えます。
特に海水魚は温度変化に弱いので、水温はいつも通りの温度で一定を保ちます。

17度以下の水温、30度以上の水温ではウーディニウムの活動が停止することが判明していますが、海水魚にも耐えられない温度なので、変化させない様にしましょう。

ウーディニウムの治療法について

ウーディニウムの治療にはヨウ素添加、殺菌灯を用いた治療法、淡水浴が適しています。
他にも銅治療、オゾンによる治療もありますが調整が難しく慣れていないとショックを起こしやすいので、上記3つでの治療をオススメします。

ヨウ素添加治療

すでに体表に付着している病魚の治療に効果的です。
水槽内全体にヨウ素が混じり行き届くので、殺菌効果が高く、ウーディニウム治療に対しては他の治療法よりも治癒効果が高いと思います。

注意点としては、設置するだけの殺菌灯に比べ、自分で用量を遵守して毎日添加しなければならないこと、使用量を1ccでも超えると逆に病魚に大ダメージを与え☆にすることがある為、ヨウ素治療は取扱説明書の用法・用量を遵守して慎重に治療してください。

殺菌灯治療+低比重

白点病にはあまり効果が期待できませんが、ウーディニウムには殺菌灯がよく効きます。

殺菌灯は管内を通る飼育水を殺菌するので、直接魚に照射されることは無く薬品のように病魚にダメージを与えないので安全性が高いです。
ただし駆除効果があるのは水中に浮遊しているウーディニウムが殺菌灯管内を通過した時だけです。すでに体表に寄生しているものに関しては殺菌灯が照射されないので効果がありません。そのためウーディニウムの治療には低比重と組み合わせて使用します。
併用することで浸透圧差により寄生しづらくなって魚体から離れた寄生虫を殺菌灯が根こそぎ駆除できます。
しかし、この方法は重症魚には、とても耐えられないので、水底に横たわったり水流に逆らえず流されるような重症魚以外で使う様にしてください。

Kyo
Kyo

あと水量に対して大きすぎる殺菌灯では水温が3度前後と大幅に上昇しやすいため、使用の際は必ず規格サイズに合ったものにするかヒーターの温度調整をしてお使いください。

淡水浴

ウーディニウムの治療で最も手軽でダメージが少ないのが淡水浴です。

対象魚だけに治療が出来るし、数分で治療できるのでkyoも好んで使っています。 特にエラ病や全身に隈なくウーディニウムが付着している様な重症魚には即効性があり、どの薬浴や低比重よりも生存性が高いので、オススメです。

淡水浴の注意点とポイント

淡水浴はPHと水温を飼育水槽と同じに合わせることを必ず守ってください。

上記に加え塩素除去も行います。

アクアセイフがメジャーですが粘液性が高くエラの弱った病魚では保護成分がエラをコーティングし、それが決定打になって☆にすることもあるので、使用するのは粘り気の無いパーフェクトウォーターを推奨します。

淡水浴の時間は短時間にとどめ、重症度にもよりますが30秒~2分ほどを限度の目安にします。淡水浴中は目を離さず注意深く様子観察しながら実施時間を見極めてください。 kyo個人としてはウーディニウムになった病魚には呼吸を楽にさせるため溶存酸素を豊富に作った淡水で治療を行っています。

エアーポンプの大きい気泡では溶存酸素が不十分なので、ファインバブルを使って水中に長時間とどまり溶け込む酸素を作ってあげています。

値は張りますがミラブルサイエンスのウルトラファインバブルが一番おススメです。

浴室のシャワーに取り付けるので、温度調節が出来るし、付属のスティックで添加剤を使わず自動で塩素除去できるし、何より溶存酸素の量が段違いで豊富です。

ウルトラファインバブルと呼ばれるものはファインバブルの中で最も気泡が小さく、酸素が水中に溶け込むので、私は使って重宝しています。

Kyo
Kyo

ファインバブルは水産業界でも病魚治療や養殖に至るまで広く使われています。 効果も高く、人の体臭や皮脂汚れもかなり落とすので一石二鳥でお得ですよ。

銅治療

銅イオンを用いた治療法です。治療期間は2週間。
治療中、ウーディニウムが見られなくなっても、体表から離れ生き残っている親虫がいて繁殖行動は取っているので、完全に全て駆除するためにも2週間は治療を続けます。
白点病やウーディニウム病の治療に効果がありますが、濃度が高いと有毒になるため、2週間の治療中は規定量を絶対に超えない様に順守しなければなりません。
海水魚の種類や衰弱度合いにより銅に対する感受性が違う為、銅治療を開始したら定期的に濃度の確認をしながら少しずつ投与し、海水魚の反応を見ながら治療継続します。

銅治療を行うなら、銅テストキットを使って銅イオンの濃度をチェックしながら治療を行うことをオススメします。特に初めて銅治療を行う場合は、テスター使用を強くオススメします。上記の期間、濃度測定を感覚だけで行うことは高リスクだからです。
測定方法は取扱説明書に書いてあるので、そちらを参照してください。

海水魚の銅イオンに対する感受性
ヤッコ>チョウチョウウオ>ハギ>クマノミ>スズメダイの順に銅に弱いです。
ヤッコの中でも小型ヤッコや幼魚は特に弱いので、濃度に十分注意してください。

ヤッコ、チョウチョウウオ:0.15~0.2ppmを限度
ハギ:0.40~0.3ppmを限度
クマノミ、スズメダイ:0.45~0.3ppm

Kyo
Kyo

だいたい上記の数値が目安になりますが、重症度により数値は変動するので、開始時はそれぞれの最低値から様子見で追加していくのが良いかと思います。

フエ&ハッシー
フエ&ハッシー

銅は甲殻類やサンゴにとっては少量でも猛毒になるため、これらが入っている水槽には絶対に入れない様に注意してね。

おまけ「オキシドール治療」

ウーディニウムに感染している病魚を25ppmの過酸化水素浴 を30 分実施した症例で生存率が向上したという研究報告も過去にみたことがあります。
ただオキシドール浴は使い方に慣れていないと取扱いが少々難しいので、淡水浴や殺菌灯で治療を行った方が安全です。

Kyo
Kyo

25ppmの作り方:1Lの水に25mgの物体を溶かすと出来上がります。

まとめ

・ウーディニウム病は水質悪化、不安定な水温などで免疫力低下した時にかかりやすい
・感染力が強く、最悪感染当日に飼育魚が落ちることもあるため早急に治療が必要
・ウーディニウムの治療には淡水浴、銅治療、殺菌灯による治療などが有効
・重度のウーディニウム病には薬浴、低比重療法はリスクが高く危険
・重症の病魚には淡水浴が即効性があり、最も生存率が高い

ウーディニウム病は白点病に似ていますが、白点病よりも重症化しやすく進行も早いです。
重症化した病魚の治療法も書きましたが、重症魚では治療に耐えられる体力や呼吸機能が残っていることが少なく、治療成功率は正直高くありません。
大事なことは重症化させる前に気付けるように日頃の健康チェックや飼育メンテナンスをサボらないこと。
飼育経験が長いと治療も自己流になりやすいですが、魚病学の正しい知識と治療方針を見極める判断能力が身に付かなければ正しい治療は出来ません。
当サイトでは観賞魚が発症する病気の治療や予防法などを他にもたくさん記事を書いているので、魚病防疫学を取り入れた有効な治療情報を求めている方は参考にしてみてください(^^♪

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