ベタの健康維持、長期飼育にフレアリングは必須です!
この記事では、ベタ専門のブリーダーさんから聞いた適切な方法と頻度について解説しています。
フレアリングとは
オスのベタに見られる各ヒレを大きく広げ自分を大きく見せようとする威嚇行為です。
闘魚であるベタ特有の特徴でもあります。
フレアリングさせる意味とメリット
飼育しやすい魚であるため、ショップでカップやボトルに入れて売られていたり、飼育でも金魚やメダカ感覚で飼育する人が非常に多い為、きちんと飼育すれば丈夫なのにも関わらず病気や不調を起こして☆にしてしまうケースが多い様です。
特にショップで長く置かれていた場合、たいてい運動不足による消化器官の衰弱、ヒレの癒着が始まっていることが多い為、それらの予防と改善のためにも、フレアリングを定期的に行う必要があり、本来の病気になりにくい魚にする、ヒレを美しく長く保つなど多くのメリットがあります。
順に解説します。
ヒレの癒着を防ぎ、長く広いキレイなまま保てる
ベタは本来ヒレの短い魚で、長く大きなヒレは本来の体系ではありません
鑑賞用に楽しむため品種改良を続けた結果、生まれた姿です。
このため、狭いケースやヒレを広げる機会を人為的に作らなければ、ヒレは畳まれたまま固着してしまい、開かなくなってしまうことに繋がります。
ヒレが一度固着してしまうと、ほとんど戻ることはありません。
固着したヒレは細菌やウイルスの温床となり病気になりやすく、それがきっかけで☆にしてしまうことさえあります。
フレアリングをさせると、定期的にヒレを大きく広げる時間を作れるので、ヒレ同士がくっつくのを防ぎ、ヒレが大きく伸びることでヒレが短く縮まることも防ぎ、広く長くたなびくキレイなままのヒレを維持することに繋がるのです。
便秘を防ぐ、病気を予防する
ベタはプラケースや金魚鉢のような小さい容器で飼育されることも多いですし、金魚やメダカの様に活発に泳ぎ回る魚ではありません。
このためベタは消化器官が弱く、便秘を起こしやすいです。
ベタの便秘は生死にかかわるほど負担が大きく、便秘が続くと免疫力低下からコショウ病、ガス排出が出来ない為、体内にガスが溜まり消化器官の損傷や転覆病を発症したりと様々な病気や不調を引き起こしてしまいます。
エサの種類や泳ぐスペースの確保、水質管理も大事ですが、フレアリングを行い、体を動かせて排便を促すのにも、たいへん効果がありますので、排泄を促進しガス溜まりや病気予防の為にも、行う必要があります。
繁殖に成功しやすいオスになる
闘争本能が働いた時に威嚇行為としてフレアリングを行いますが、メスを見てもフレアリングは起こります。
威嚇の意味もありますが、興奮することでもフレアリングは起こりますので、フレアリングをしない刺激のない生活をしていると活発さがなくなり、繁殖できなくなってしまったり、人間でいうと鬱のような状態になるベタもいますので、フレアリングを行わせることは繁殖本能を呼び覚ます意味でも必要ですので、定期的に行わせることでペアリングした時にフレアリングさせていないオスより繁殖がしやすいオスになります。
生涯元気に長生きさせるためにも、適切な方法でフレアリングさせるのが望ましいです。
代表的な方法をピックアップして記載しておきます。
他のオスベタと隣り合わせに置く
ベタを2匹以上飼育している、する予定があるなら隣同士に置いてお互いを見合わせ、フレアリングさせます。
同じ水槽内に入れると激しくケンカをするので、絶対に一緒に泳がすことはしないようにしてください。
触れ合う心配が無ければ、同じ容器にクリアのセパレートを挟んで、見合わせるのもOKです。
鏡を見せる
ベタ1匹のみの飼育の場合に最も使われる方法です。
容器ごしに鏡で自分の姿を見せてフレアリングさせます。
自分の姿が見えれば良いので、水槽の外から見せるのでOKです。
カチョンを使う
ベタの本場タイでは、ベタ同士を見合わせるのはもちろん、カチョンというベタ専用の網を見せて、それに対しフレアリングさせる方法をとっています。
ベタを水ごとすくえる網にもなるので便利ですよ!
気の小さいベタや長らくフレアリングをしていないベタなどは鏡ごしではフレアリングをしないことや鏡に写った自分におびえてしまうベタもいるので、そういうベタに対し自分よりはるかに小さいガチョンの柄を見せてフレアリングを誘発させる方法をとっているそうです。
臆病なベタでもカチョンなら怖がらないことがあります。
メリットの多いフレアリングですが、毎日長時間行うわけではありません。
適切な方法に加え、適切な頻度と目安時間もだいたい決まっています。
フレアリングさせる時間について
時間は短めを厳守!
フレアリングさせる時間は、長くならないように注意が必要です。
あまり長い時間フレアリングしていると、興奮しすぎてヒレが裂けてしまったり、体力を消耗しすぎて弱ってしまう、慣れてフレアリングしなくなったりしてしまいます。
だいたいプロのブリーダーさんが行っている1回の平均実施時間が2~3分ほどなので、それぐらいの時間を目安に行うと良いと思います。
生き物なので明確に決まった基準はないですが、あまりに興奮しやすいベタや、年老いたベタなどは、より短めにしてあげてください。
頻度は週に2~3回が目安
フレアリングしているベタは命がけなので、かなり体力を消耗します。
毎日行うのは良くないので、週に2~3回、だいたい2~3日に1回のペースで行うと良いと思います。
2年以上飼育しているベタや水槽のガラス面に写った自分、飼育者を見てフレアリングする様な興奮しやすいベタは、週に2回、3日に1度のペースで良いかなと個人的には思います。
ベタのヒレが病気やケガで損傷している場合、完治するまでフレアリングは避けてください。
フレアリングを行わないベタのケース
ショップで外敵慣れしてしまっている
ショップで販売されている時によくあることで隣同士で置いていたり、水槽やプラケースに個別に入れていても透明の仕切り版をしていることでお互いが常に見えていることで、他のベタに対して慣れてしまっていることがあります。
置かれていた日数が長くなるほどベタは害が無いと判断しフレアリングしなくなるので、そんなベタを購入してしまった場合は、まずベタが落ち着ける環境を作り、購入後もしばらくフレアリングはさせないようにします。
2~3週間経過し、自宅の飼育環境に馴染んで十分落ち着いたら、その後に週1回程度から鏡を見せてあげて、気長にフレアリングするのを待つようにしてあげると良いです。
鏡を怖がる場合
もし、鏡を見せた時に怖がってフレアリングしない場合は、臆病な性格か小さめの個体であることが多いです。ショップで周りに並んでいたのが自分より大きめのベタばかりで気が弱くなった可能性もあります。
その場合は無理にフレアリングさせずに、もっと頻度を減らしても良いと思います。
さきほど紹介したガチョンや活餌のイトメ「イトミミズ」、ブラインなどを与えて活力をつけると自然にフレアリングすることもあるので、活餌や冷凍餌を利用してフレアリングさせると良いかもしれません。
体調不良や病気になっている場合
病気や体調を崩している場合にも、ベタはフレアリングをしないことが多いです。
コショウ病や尾ぐされ病など外見上分かる病気もあれば、便秘や衰弱など内面上の問題で判断が難しいものもあります。
もし外見上で異常が無いにも関わらず、エサ食いが悪かったり、水面をパクパクする鼻上げ、発色が悪いなどのいつもと違うことがあれば、少量の水換えをする、塩を少し入れるなど負担の少ない処置をしてあげると良いです。
もしその後に各病気の兆候が出れば、それぞれ適切な治療をしてあげてください。
各病気になった時の治療法やペアリング~繁殖までの方法、稚魚の育成など他にも記事をたくさん書いてますので、ベタの飼育関連で困ったときは、見てみてください。