メチレンブルーは青色の魚病薬で、主に白点病などを治療するのに用いられる動物用医薬品です。
このメチレンブルーは病気治療だけでなく、メダカの卵の消毒や飼育始めのトリートメントにもよく使用されています。
この記事では使用するメリットについて記載しています。
メチレンブルーを使用するメリット
メダカの卵の消毒はもちろん、有精卵かどうかを見分けたり、水カビ発生を予防したり、先天性の病気を予防できたりと大きなメリットがあります。
魚病薬の中でも魚体へのダメージが少なく、用法・用量を守れば薬害もほとんどありません。
そして卵をメチレンブルーに浸しても魚体に影響は無く、孵化率が向上します。
無精卵が分かる、水カビや腐るのを防げる
無性卵かどうかは指で軽くつまんだり、近くで見ると不透明なので簡単に見分けられますが、卵の数が多いので1粒ずつ見るのは面倒です。
メチレンブルーを使うと無精卵は全て青く染まるので、判別が楽になりオススメです。
また消毒作用で有精卵は腐敗と水カビを防ぐため、孵化成功率も上がります。
無精卵は近くに有精卵があると腐敗や水カビをうつします。消毒効果と無精卵除去を同時にできるため、メチレン使用をオススメします。
先天性の病気を予防できる
メダカには生まれる前から発症することが決まっている先天性疾患がいくつかあります。
メチレンブルーは全てとは言いませんが、その先天性疾患の発症率を大幅に下げることが出来ます。
メチレンブルーで予防が期待できる先天性疾患
・ウイルス性転覆病
・マイコバクテリウム症
・内臓器や心疾患など生まれる前から持っているもの
上記は代表的なものを一例として挙げましたが、これらの将来発生率を減少させることが研究データより判明しています。
卵や魚体への影響が少なく、安全性が高い
副作用や後遺症も起こることはほぼ無く、安全に殺菌・消毒が行えることも大きなメリットです。
メチレンブルーは酸化還元作用による活性酸素を利用して消毒効果を起こすため、抗菌剤や抗生物質の様な薬品成分とは治療機序が異なります。
医療科学的にはオキシドールなどと似たものなので、魚類や卵などの生きものへの安全性は高いと言えます。
メチレンブルーの添加量と使用方法
病魚の治療時と異なり、卵の消毒での使用では水の色が薄く色づく程度で十分効果があります。水道水の塩素による殺菌消毒効果も併用しているので、ほんのり水色に染まったら、それでOKです。
注意点
卵の消毒では水道水のカルキ抜きをしないようにしましょう。
塩素中和剤は塩素だけでなく、メチレンブルーの成分効果も中和し半減させてしまいます。
卵消毒の場合では塩素中和剤使用はデメリットしかないため、水道水とメチレンだけで卵を消毒する様に注意してください。
使用時の注意点
メチレンブルー液は色素が濃く、水槽内のシリコン、エアチューブ、ガラス、アクリルなど、あらゆるものを真っ青に染める為、直接添加するよりは100均のプラケースなどで、あらかじめ溶け込ませてから、目的の飼育容器に投入する方が良いです。
オススメは卵孵化専用のケースを用意して、そこに水道水とメチレン添加で孵化まで管理が楽で良いです。
私は100均の小型バケツや中型サイズの飼育ケースなどに水中ヒーターを設置して、よく管理しています。ホームセンターなどで見かける小型の衣装ケースなんかもオススメです。
おまけ:メダカの孵化率を飛躍的に上げる方法
メダカの卵の孵化率は水温も大きく関係しています。
研究資料によると水温25度が最も孵化成功率が高いそうなので、水中ヒーターを使用すると水温を常に設定温度に保ち、自動で24時間温度管理してくれるので、ぜひ使用することをオススメします。
サーモスタット式であれば好みの水温に1度刻みで固定できますが、25度前後に保てれば良いのであれば、水温固定式のものが値段が安くコストがかかりません。
ただ両方使用した個人的意見として温度固定式のものは、短期間でよく故障していた覚えがあるため、予期せぬトラブルを避けたい方には、サーモスタット式のヒーター使用をオススメします。
バケツや飼育ケースサイズであればヒーター容量は50wもあれば必要十分です。
それより大きいものであれば水量サイズに応じたw数のヒーターを使用しましょう。
最後に
メダカの卵の孵化だけでなく、メダカの病気治療にもよく使用されているメチレンブルー液。常備薬として持っておくと急な病気トラブルにも便利なので、ぜひ1本は持っておくことをオススメします。