飼育魚のエラや体表に白色の粘液が多量に付着していて水カビや綿カビと異なるものである場合は、白雲病の可能性が高いです。
主としてキロドネラやギロダクチルス、イクチオボド「イクチオフォヌス」、トリコジナ「サイクロキータ」など寄生虫が付着したことから魚が身を守るために粘液を大量に分泌している結果、その見た目が白雲の様に見えることから、白雲病と呼ばれています。
ごく初期なら水質改善、昇温で自然に治ることもありますが、エラに好発した場合は重篤化します。
症状について
エラや体表、ヒレなどに白いモヤモヤした粘液の塊みたいなものが付着します。
白点病や綿カビと混同されやすいですが、白雲病の場合は局所や体全体でもモヤがかかった様な白いかたまりの付着物が付いているので、判別はしやすいと思います。
白雲病に感染した場合は、斑点状の白い付着物が体表各所に見られ始め、進行していくと付着物が巨大化、病名の通り白いモヤッとした雲のような粘液のかたまりや膜が体全体を包み込んでいき、1~2週間の間に☆になります。 治療のコツは初期の段階で早急に治療開始することと効果のある治療法だけを使用すること。モタついているとどんどんと進行し手遅れになるため5日以内、出来れば3日以内に進行を止めなければなりません。
エラ内に寄生された場合は最悪、発症から数時間、数分で☆になることさえあるので、自然治癒を待たず、早急に治療を行いましょう。
寄生される原因
水質悪化した飼育水や水温の急激な下降や不安定な水温環境で発症することが多く、魚の衰弱や疲労など免疫力が極端に低下したことが引き金で発症します。他にも細菌が多く発生した古い水で感染することがあります。
ヒーター無し飼育や屋外飼育の場合は春先や秋など1日の気温変化が大きい季節の変わり目に発症しやすいです。
白雲病の治療法について
効果のあるものは高濃度塩水浴、プラジクアンテルやグリーンFゴールド顆粒「GFG」の経口投与がよく効きます。過マンガン酸カリウムによる治療も効果的ですが、上記3つが入手も使い方も容易です。
即効性があり最も有効なのはプラジクアンテル。抜群の治療効果があるのでkyoも好んで使っています。
高濃度塩水浴
通常の0.5%塩水浴では効果がほぼ出ないので、濃度1%や3%の高濃度で短時間塩水浴させます。
重症度により異なりますが、エラが閉じれないぐらい大量で無ければ、1%で3分、3%で1分ほど行うと良いです。
頻度は一日に1回、翌日変化が見られなければ、再度実施します。
実施後は体表粘膜が弱るので、他病気感染を防ぐためメチレンブルーやGFGを薄く色づかせた水で3~4日間軽く薬浴させます。
高濃度塩水で治らない場合は細菌類など別の病気の可能性がありますので、魚病薬治療など別の方法に切り替えてください。
塩水浴の反復は病魚の負担になり、大ダメージを負うので、何度も繰り返し行わない様にしてね。
プラジクアンテル治療について
プラジクアンテルとは水産業界でよく使用されている魚に付く寄生虫駆除薬です。
これは観賞魚にも、たいへん効果があり、ここで紹介している寄生虫に加え、イカリムシやウオジラミ、海水魚のハダムシやエラムシなど大多数の寄生虫駆除や体内の線虫駆除のための虫くだしにも利用されている水産防疫薬です。
経口摂取させるので、飼育水を薬で染めず、水草や同居魚に影響を与えずに駆除できることが大きなメリットですが、デメリットもあります。
それは、たいへん水に溶けにくいこと。
基本エサに混ぜて溶かすのですが、なかなか溶けないので労力と根気が要ります。
kyoは効率よく溶かせるために小さなペットボトルに飼育水と薬を入れてシェイクして溶かし切ったものをエサに混ぜて与えています。どうしても混ざらない場合は適量のアルコールを入れると溶けやすくなります。
上記の水産用プラジクアンテルはフレーバー配合して食べやすくしたものなので、従来品より40倍食いつきが良いそうです。「詳細は商品ページ参照」
使用方法
一日に1回、3日間連続で経口摂取させます。
使用量:10gにつき1.5mg
上記方法で完全に溶け込んだものをエサに混ぜて、数分放置して餌に十分染みこんだものを食べさせます。
魚の体重はグラム単位の世界なので、投与量はスケール「計測器」を用いて正確に測りましょう。
投与量が多すぎると薬剤ショックで☆になります。用法・用量を守ってお使いください。
GFG経口摂取について
寄生虫駆除に関してはプラジクアンテルが一番効きますが、寄生虫が原因では無く、細菌感染だった場合はGFGがよく効きます。
用法・用量に従って作成した薬水をエサに染みこませて食べさせ治療してください。
おまけ
過マンガン酸カリウムを使用する場合も、一応載せておきます。
水産業界では水1t当たり2~3g投与「水温20度を基準」していますが、自宅の水槽ではそこまでの水量では無いことが大半なので、10Lにつき20mg投与して薬浴させます。
測定にはスケール「測り器」を使って正確に測定してから投与しましょう。
※水温により効果が変動するため、水温20度未満なら2g、20度より↑なら3gで薬浴、散布してお使いください(^^♪