目が飛び出るポップアイの原因、治療法について

メダカ・金魚
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ポップアイとは眼球が突出する症状の総称であり、ほぼ全ての鑑賞魚に起こる症状です。
原因は病気や衰弱で浸透圧調整が出来なくなり、体内の圧力が上昇することで眼の眼圧も上がり眼が外に押し出されることでポップアイとなります。

ポップアイの診断について

目が飛び出る症状は大きく分けて2つあり、急激に突出するものと徐々に出てくるものがあります。

徐々に出てくるものはアロワナなど古代魚に特に多く、栄養過多で丸々太ったために眼球周りの肉付きも良くなって出てくるタイプです。
これは病的な症状では無く、ただ太ったために起こった症状なので、命に別状はありません。
ただ鑑賞上見苦しく思う人も多く、放置しておくと眼球周りの肉が固まって、その場所で固定してしまうので、痩せても元に戻らなくなります。

急激に飛び出すものは浸透圧調整が出来なくなった結果、起こった病的なポップアイなので治療処置の必要があります。

ポップアイは重篤な症状なのか?

命に別状が無いものとされていますが、病気の合併症でもあるため、その病気によっては落としてしまうこともあるし、衰弱の重症度によって助からなくなることもある安心できない症状です。
なので飼育魚でポップアイ症状を発見した場合は、必ず原因を探し、早急に治療してあげてください。
原因の詳細や治療、予防については記事内で後述しています。

ポップアイの原因について

冒頭で触れたとおり、ポップアイは飼育魚が浸透圧調整を上手く行えなくなった場合に起こる症状であり、その原因は多岐にあります。
よく起こる代表的な原因を以下に挙げます。

・水質悪化、水中ガス「窒素、硫黄など」過飽和によるもの
・毒性物質「アンモニア、硫化水素、古飼育水の不純物など」摂取によるもの
・ビブリオ、レンサ球菌症、抗酸菌症、ウイルス性腹水症など各魚病の進行症状や末期
・長期寄生虫感染によるもの

上記が代表的なポップアイの原因になります。
上記に挙げた各魚病とは、エロモナス感染症やウーディニウム「コショウ病」など観賞魚が発症する全ての病気の進行症状・末期症状で起こる可能性があることを指しています。

ポップアイの治療について

浸透圧調整に不具合を生じて起こっているため、正常に浸透圧の調整を行えるようになれば改善します。
ただ命に別状の無い病気の合併症や長期汚水により起こったものなどでポップアイを発症し長期的に放置していたものの場合、ポップアイになっている時間が長いものほど完治しなかったり、全く治らなかったりすることがあるため、見つけたら早期治療をすることが大事です。

Kyo
Kyo

ポップアイを長期間放置していると目の周りの筋肉が衰えたり、眼が出たまま癒着し眼球が元の位置に戻らなくなることがあります。

観賞価値が下がるだけでなく、眼に雑菌や傷が出来やすくなって病気にかかりやすくなるよ。気を付けよう。

パターン別治療法

病気によるものではなく、汚水が原因である場合は、まず水換えを行うこと。
水換えをサボってしまった日数にもよりますが、月単位で換えていないのであれば、水換える量を水量1/5を上限に1週間毎日水換えをします。
ウールマット交換や濾材洗浄など濾過槽掃除もずっとしていないのであれば、上記に加えて濾過槽メンテナンスをします。
この時、濾過槽内壁やパイプ、ホースの中は苔、ヘドロ、雑菌がこびり付いているため、各パーツも隈なく掃除してください。

注意点!!
水換え時のカルキ抜きに使う添加剤はパーフェクトウォーターを使ってください!

アクアセイフを使うことが多いですが、アクアセイフは粘液性がある為、衰弱魚や病魚にとっては命取りになる危険性があります。
健康魚や金魚、丈夫な熱帯魚であれば上記でも問題ないことがありますが、病魚では粘膜保護成分がエラ内部に貼りつき呼吸困難を起こす危険性があります。
なので安全に十分配慮する意味合いでパーフェクトウォーターを使いましょう。
パーフェクトウォーターは粘液性が無くサラサラです。

Kyo
Kyo

アクアセイフは病魚や衰弱がひどい魚以外で通常時に使うには問題ありません。

病気の合併症状のポップアイの治療法

まず根本である病気を最優先で治療しましょう。
だいたい本元の病気治療を行っている治癒段階で治ることが多いです。
注意点としては似た病気の場合や色んな病気が複合感染を起こしている場合は治療手段や魚病薬の選択が分からなくなることも多い為、そんな時は当HPの記事「病名が分からない飼育魚の~」を参考に治療手段の選択を行ってください。

病名が分からない飼育魚の生存率を飛躍させる病気治療について「淡水・海水共通」
白点病や水カビ病などと違い、病名も治療法も分からない病気や症状は珍しくありません。これら病名不明な観賞魚の病気に試すべき治療法と応急処置について記載しています。

末期症状で出たポップアイについて

衰弱や病気の末期でポップアイが出た場合、正直治癒率は低いです。
上記の様な場合は水質変化にとても弱いので、注水や水換えする場合は細心の注意を払って行いましょう。出来れば水質の急変を避ける為、水換えは行わないのが安全です。
しかし、一概に一まとめとして言えないため、ケースバイケースで判断してください。
特に海水魚の場合は比重の変化や魚病薬量に敏感に反応し、急変する恐れがあるので、感染している病気の種類や症状の進行具合をしっかり調べて、適切に処置してあげてください。

ポップアイを起こさないための予防について

ポップアイを予防するためには原因になるものを避けることが大事です。
水換えは飼育数と水量に適した頻度で定期的に行う、濾過槽メンテナンスを行う、溜まったフンやエサの食べ残しは小まめに取り除くなど水質を安定させましょう。

これを基本とすれば不純物は溜まりにくくなり、アンモニア濃度や硝酸塩も過剰に溜まることを防げます。そうすれば病気にもなりにくくなります。

底砂を5cm以上と厚く敷いている場合は数か月も経つと砂の隙間で窒素、硫黄がたまり充満しているため、魚が砂を撒きあげた、レイアウトを動かしたときに砂が舞ったなど何かの拍子で底砂を拡散させてしまい水中に窒素ガスや硫黄が蔓延することがあります。
なので面積が広い水槽で砂を敷いていたり、小型水槽でも厚く砂を敷いている場合は水換えと一緒に底砂も掃除する必要があります。

上記の様に底砂掃除と水換えが一緒にできるもので掃除してください。

Kyo
Kyo

低砂の中も排水しなければ、底に腐敗を残したままの上辺だけの水交換になってしまいます。定期的に低砂の中もホースで掃除しましょう。

次に飼育魚のストレス軽減、免疫力を向上させること
魚は騒音や振動、水温変化や混泳など様々なことでストレスを感じます。
なので水槽を置く場所は静かな環境にし、混泳魚は争うことが少ないもの、小競り合いを起こす場合は必ず複数の隠れ場所を用意してあげましょう。

それに加え、ラクトフェリンなど免疫強化栄養食を普段のエサに混ぜるのもオススメです。

ラクトフェリンはストレスを軽減し、栄養補給にもなるため、魚の感染防御手段である体表粘膜を厚くすることに繋がります。
体表粘膜「インターフェロン」が厚くなれば、寄生虫や病原菌の付着を弾き、侵入を防ぐことに働くので、寄生虫や病気感染しにくくなるメリットがあります。
海水魚だけでなく淡水魚にも問題なく使えるので、オススメです。

Kyo
Kyo

注意事項としてラクトフェリンは高栄養価ゆえに水を汚しやすいです。大量に与え過ぎない様、説明書を読み用法・用量を守ってお使いください。

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最後に溶存酸素量を増やすこと

実は溶存酸素は水質に密接に関係していて、溶存酸素量が豊富な水ほど水質はキレイになるんです。
簡単に理由を説明すると、バクテリアは汚れを分解する時に溶存酸素を消費して水をキレイにします。つまり水中に大量に酸素があるほどバクテリアが増えやすく、よく働いて水はキレイになる。ということなんです。

溶存酸素が豊富にあれば曝気効果で水中の目に見えない小さな汚れや魚の食べかすが濾過にかかりやすくなるし、飼育魚の酸欠も防げる、それに寄生虫も付きにくくなると良いこと尽くめです。
そんな良いこと尽くめの溶存酸素ですが、大量に増やす方法があります。
それはファインバブルを使うこと!

アクアリウム界ではあまり馴染みが無くても、養殖場や研究施設など魚病防疫が必須な環境下では普通に使われています。
ファインバブルという言葉は数年前からミラブルの登場で、一般的にも知っている人が多くなりました。
自宅水槽では、そのミラブルがとても優秀な働きをしてくれて、コスパも非常に良いので、オススメです。

常設のファインバブルもありますが、認定登録マークのついた本物は非常に高価なので、ミラブルで水換えや注水用の足し水を作るときに使用してください。
ミラブルのようなウルトラファインバブルは溶存酸素として水中に長く留まるため、数週間置きの水換えだとしても、十分に酸素を補給できます。
人にも使えて水道代も浮くので非常にコスパも良いですよ。

Kyo
Kyo

Kyo底砂をたくさん敷いている、ろ材を大量に入れている場合は嫌気層が出来やすく、硫化水素の発生も多くなるため、このような場合も曝気効果の高いミラブルはオススメです。

良い事づくめのミラブルだけど偽物が多く出回っているので注意してね。購入する場合は上記広告の様な正規代理店で買う様にしてね。

最終的にはミラブル推しになっちゃいましたが(笑)、正規品は認証登録番号とシリアルナンバーがミラブル本体に必ず付いているため、それが無いものは偽物になります。
この2つがあれば絶対安心と言うわけではありませんが、正規品には必ず付いているものなので、最低限この2つは確認しておいてくださいね。
もっと詳細を知りたい方は、ミラブルでネット検索をかけて詳しく調べてみてください。

まとめ

・ポップアイは浸透圧調整不具合で起こるもの
・長期的に放置しておくと治療しても改善しないことがある
・病気の合併症でも発症するので、他症状がある場合は魚病を最優先で治療する
・衰弱が激しかったり、病気症状末期で起こったポップアイの場合、治癒が難しいことが多い

・浸透圧調整が難しくなった観賞魚は水質変化に敏感に反応し、ショックを起こしやすいため、ケースバイケースによるが水換えや低比重に変えることは避ける方が無難。

・ポップアイを予防するためには水質維持、免疫力低下防止、溶存酸素量を増やすことが大事

まとめると、こんな感じになります。
なお追記で、グリーンウォーター化による植物プランクトンの過増殖や藍藻、大量の苔発生による溶存酸素過飽和はガス病の原因になるため、必ずエアレーションやファインバブルなどで溶存酸素を増やす様にしてください。

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